クライアントからご相談を受けました!

利用者ファイルをクリックすると強制終了してしまうんです!
上記の画面から利用者ファイルを選ぶとエラーメッセージすら出ずに、強制終了してしまうとのこと……
正直、今までにないトラブルだったので、私自身も戸惑いましたが、調査の結果、原因が分かってきました。
この記事では、実際に確認した内容をもとに、トラブルの背景と対処のヒントをお伝えします。
原因:利用者ファイル(.nccファイル)の肥大化
強制終了の主な原因は、利用者ファイル(.nccファイル)の容量が大きくなり過ぎたことでした。
ただ、大きくなり過ぎたと言っても、私が確認したケースでは、ファイルサイズが134MBです…
そうなんです。実はこの程度の容量が溜まるだけで、e-Taxの利用者ファイルは容量オーバーになります。

この.nccファイルには、これまでe-Taxで送信した申告や添付ファイルの履歴が、XML形式のテキストで保存されていきます。しかも削除したファイル(ゴミ箱へ移動したもの)も、実は記録が残ったままになるようです。
なので、使えば使うほど、容量は大きくなってしまいます。
とはいえ、今まで税理士である私がこのような問題に出くわさなかったように、通常の法人さんでは、そこまでe-Taxを多用することがありませんから、この問題は起こりにくい。
では、どのような法人さんで、強制終了問題が起こるのでしょうか?
こんな法人は要注意!
特に注意が必要なのが、画像送信機能で大量のPDFファイルを添付しているケースです。
PDFのバイナリデータがそのままテキストとして追加されるため、ファイルサイズが一気に増加してしまいます。
大量のPDFファイルを添付するケースとしては、例えば酒造をしている法人さんが挙げられます。
なぜなら、酒税の申告が毎月あるのに加え、新商品のレシピなんかもPDFで送信するため、割とすぐ利用者ファイルが容量オーバーを迎えます。
対応策
では、このe-Taxソフトの強制終了にどのように対応すればよいのでしょうか?
正直、対応策がまったくわからなかったので、まずは税務署に問い合わせてみました。
対応策を税務署に聞いてみた……
税務署に対応策を伺ったところ、e-Taxの質問は専門外ということでした😢
なので、e-Taxのヘルプデスクに問い合わせることになりました。
対応策をe-Taxヘルプデスクに聞いてみた……
e-Taxのヘルプデスクに伺ってみたところ、
たくさんのやり取りの末に、判明した事実がこちら👇
『この現象が発生したら、もう利用者ファイルは開けません・・・』
とのことでした。絶望です。
唯一の対応策は、
『利用者ファイルが開かなくなる前に、新しい利用者ファイルをつくること。』
だそうです。
『重くなってきたら新しい利用者ファイルをつくってください!』
とのことなので、定期的に利用者ファイルの容量を確認して、新しい利用者ファイルをつくりましょう。
ご相談をいただいたクライアントでは3か月に一度、新しい利用者ファイルを作成するルーティーンで対応することが決まりました。
強制終了される利用者ファイルの中身をみるには・・・
すでに、強制終了モードで、それでも過去送信したファイルを印刷したい、参照したい場合は、下記の手順を踏んでください。
- eTaxソフトWEB版にログイン
- メッセージボックス一覧から1つずつメッセージを開く
- 「帳票表示」
- 「印刷」
上記の手順を踏むことで、一応内容を確認することができます。
おわりに
いかがだったでしょうか?
今回のようなe-Taxの強制終了トラブルに出くわす頻度こそ少ないものの、特定の利用状況によっては誰にでも起こり得る問題です。
特にe-Taxを使う機会が多く、PDF添付を多用されている法人の方は、利用者ファイルの容量にはぜひ気を配っていただきたいと思います。
そして、もしe-Taxソフトの強制終了に出会ってしまった場合には、以後、新しい利用者ファイルを定期的に作成することを定期ルーティーンに加えることを検討してください!
今回はだいぶ珍しい事例でしたが、この記事がそんな希少なトラブルに出会ってしまった方々の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も経理・税務に役立つ記事を発信していきますので、またお越しいただければ嬉しいです。
それでは、また!
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