士業として独立・開業するとき、多くの方が「ホームページをどう作れば良いのか?」という悩みに直面します。
税理士・弁護士・社労士などの士業にとって、ホームページはあなたの名刺代わりとなるだけでなく、信頼性を示し、関与先の獲得につながる重要な資産です。
その重要性を理解しているからこそ、ホームページをつくるにあたっては、いくつかの判断に迷う部分がでてきます。
1つは「自力で作るか?外注するか?」という選択です。
外注すればプロのデザインやSEO対策を任せられる一方で、費用がかさみ、更新のたびに依頼が必要になり、情報発信のスピードが落ちる可能性があります。
一方、自力で作ればコストを抑えつつ、自分のペースで更新できますが、サーバーやドメイン、WordPressといった仕組みを理解する必要があります。
この記事では、まず「自力で作るか?外注するか?」の違いを整理したうえで、自力でつくることを選んだ方々のために、ホームページを作る方法を解説します。
サーバーやドメインの選び方、WordPressの活用法、士業ホームページに必須のコンテンツまで、実務的なステップを具体的に紹介しますので、これからホームページを立ち上げようと考えている方はぜひ参考にしてください。
ホームページを自力で作るか?外注するか?
士業のホームページを作る際、最初に直面するのが「自力で作るか?外注するか?」という選択です。どちらにもメリットとデメリットがあり、事務所の状況や目的によって最適解は変わります。
自力で作る場合のメリット・デメリット
自力でホームページを作る最大のメリットは、コストを抑えられることです。
レンタルサーバーや独自ドメインの契約費用だけで済み、制作会社に依頼する初期費用は不要です。
さらに、更新や修正を自分のタイミングで行えるため、情報発信のスピードを保てます。
また、サーバーやWordPressの仕組みを理解することで、ITリテラシーが高まり、長期的には事務所運営の資産にもなります。
一方でデメリットは、専門知識が必要になることです。サーバーやドメインの設定、WordPressの操作など、慣れるまでは時間がかかります。デザインやSEOの専門性では外注に劣る場合もあり、完成度を高めるには学習や試行錯誤が必要です。
外注する場合のメリット・デメリット
外注のメリットは、プロのデザインやSEO対策を任せられることです。士業ホームページは信頼性が重要なため、専門業者に依頼すれば見栄えや検索順位の面で安心感があります。制作スピードも速く、短期間で公開できるのも魅力です。
ただしデメリットは、費用が高いことです。初期制作費用だけで数十万円かかるケースも珍しくなく、更新のたびに依頼が必要になるため、情報発信のスピードが落ちる可能性があります。
さらに、制作会社に依存するリスクもあり、自由度が制限される点は注意が必要です。
ここまでをまとめると下記のようになります。
自力で作る vs 外注する 比較表
| 自力で作る | 外注する | |
|---|---|---|
| 初期費用 | サーバー・ドメイン代のみ(数千円~) | 数十万円規模になることも多い |
| 維持費 | サーバー・ドメイン更新費用のみ | 保守契約や更新費用が発生 |
| 更新スピード | 自分のタイミングで即時更新可能 | 制作会社に依頼が必要で時間がかかる |
| デザイン品質 | テンプレートや自作に依存。工夫次第で改善可能 | プロのデザインで信頼感を高めやすい |
| SEO対策 | 自分で学習・設定が必要 | 制作会社がノウハウを持っている場合が多い |
| 自由度 | 完全に自分で管理できる | 制作会社の仕様や契約に依存する |
| 学習効果 | サーバー・WordPressの知識が資産になる | 知識は身につかないが手間は省ける |
このように、自力と外注にはそれぞれ一長一短があります。
その上で、自力での作成にチャレンジしたい方は、続きを読み進めてください。
では、ここから自力でホームページを作る方法を中心に解説していきます。
コストを抑えつつ、自分のペースで更新できる仕組みを整えたい方は、ぜひこの後のステップを参考にしてください。
士業ホームページ作成の基本ステップ
士業のホームページを自力で作る場合、必要なステップは大きく分けて次の3つです。
- サーバーとドメインを用意する
- WordPressを導入する
- 基本的なページを整える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. サーバーとドメインを用意する
ホームページを公開するためには、まず サーバー と ドメイン を用意する必要があります。
よく「サーバー=土地」「ドメイン=住所」と例えられますが、この2つが揃わなければインターネット上に事務所サイトを立ち上げることはできません。
サーバーとは?
サーバーとは、インターネット上で情報やサービスを提供するためのコンピューターのことです。
ユーザーがホームページを閲覧するとき、サーバーがリクエストに応じてページ情報を返すことで表示が可能になります。
士業ホームページを運営する上で重要なのは「どの種類のサーバーを選ぶか」です。代表的な種類は以下の3つです。
-
共有サーバー
複数のユーザーで1台のサーバーを利用する方式です。
メリット:低コスト、専門知識不要、契約すればすぐに使える。
デメリット:他ユーザーの影響を受ける可能性がある(アクセス集中など)→ 中小規模の士業サイトなら共有サーバーで十分です。
-
専用サーバー
1台のサーバーを自分専用で利用する方式です。
メリット:高性能、自由度が高い、大規模サイトに適している
デメリット:費用が高く、運用に専門知識が必要→ 士業サイトでは規模が大きくない限り不要です。
-
VPS(Virtual Private Server)
共有サーバーと専用サーバーの中間。仮想的に専用環境を持てる方式です。
メリット:専用サーバーに近い自由度
デメリット:保守管理を自分で行う必要があり、専門知識が必須→ ITに強い方以外にはおすすめできません。
結論:士業ホームページは共有サーバーをレンタルでOK
結論として、士業ホームページを始めるなら「共有サーバー」+「レンタルサーバー契約」で問題なしです。専門知識がなくても導入でき、コストも抑えられます。
ドメインとは?
ドメインとは、インターネット上の住所のようなものです。例えばこのブログだと「tax-cpa-fujisawa.com」のように、業務内容や地域、事務所名を含めたドメインを取得すれば、利用者はその住所を頼りにあなたのホームページへアクセスできます。
ドメインには大きく分けて 独自ドメイン と 共有ドメイン(無料ドメイン) の2種類があります。
独自ドメイン
独自ドメインとは、自分だけが所有する世界に一つだけのオリジナルのドメインです。
- 信頼性が高く、事務所の公式サイトとして安心感を与えられる
- 自分で運営管理できるため、サービス終了によってサイトが消えるリスクがない
- SEOに強く、コンテンツを積み重ねることで検索順位が上がりやすい
一方で、年間数千円程度の維持費がかかり、サーバーに設定する際に多少の手間が必要です。しかし士業ホームページにとっては、この投資が信頼性と集客力につながるため、十分に価値があります。
共有ドメイン(無料ドメイン)
共有ドメインは、複数人で同じドメインを利用する方式です。
-
- 無料で簡単に始められるため、趣味ブログや個人の日記には向いている
- しかし、サービスが終了すればサイト自体が消滅するリスクがある
- 他社の広告が表示される場合があり、事務所サイトとしての信頼性を損なう
- 提供者の規約に従わなければならず、自由度が制限される士業ホームページの場合、信頼性や長期的な運営を考えると共有ドメインは不向きです。
結論:士業ホームページでは独自ドメインがおすすめ
士業ホームページに独自ドメインをおすすめする最大の理由は、信頼性を蓄積できることです。立ち上げ直後の独自ドメインにはまだ評価がありませんが、有益なコンテンツを増やしていくことで徐々に検索エンジンからの評価が高まり、検索順位も上がっていきます。
一方で、無料ドメインは大元のドメインの評価を複数人で分け合う形になるため、どれだけコンテンツを積み重ねても独自ドメインには敵いません。さらに、サービス終了や規約違反によって突然サイトが消えるリスクも常に付きまといます。
士業のホームページは「事務所の顔」となるものです。趣味ブログなら無料ドメインでも構いませんが、士業サイトでは初めから独自ドメインを取得して運用することが必須です。
また「事業が軌道に乗ったら独自ドメインに切り替えよう」という考え方は論外で、最初から信頼性を積み上げていくべきです。
WordPressを導入する
サーバーとドメインを用意したら、次に必要なのはホームページを構築するための仕組みです。士業ホームページを作る場合、最もおすすめなのが WordPress です。
WordPressとは?
WordPressは世界で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)で、インターネット上のWebサイトの約40%がWordPressで作られていると言われています。CMSとは、専門的なプログラミング知識がなくてもホームページを作成・更新できる仕組みのことです。
士業ホームページにおいては、信頼性を高めるために定期的な情報発信や更新が欠かせません。WordPressを導入すれば、専門知識がなくても記事やページを簡単に追加できるため、顧客に最新情報を届けやすくなります。
WordPressを使うメリット
WordPressを導入するメリットは数多くあります。
まず、テーマ(テンプレート) を選ぶだけで、専門知識がなくても見栄えの良いホームページを構築できます。士業向けに特化したテーマも多く提供されているため、事務所の雰囲気に合ったデザインを選ぶことが可能です。
さらに、WordPressは SEOに強い設計 がされている点も大きな魅力です。レスポンシブデザイン(スマホ対応)が標準であり、検索エンジンに評価されやすい構造になっています。士業ホームページは「地域名+士業名」で検索されることが多いため、SEO対策は集客に直結します。
また、WordPressは 拡張性が高い ため、プラグインを導入すればお問い合わせフォームや予約システム、セキュリティ強化なども簡単に追加できます。事務所の成長に合わせて機能を拡張できる点は、長期的な運営において非常に有利です。
WordPressの注意点
もちろん、WordPressにも注意点はあります。例えば、ECサイトのような複雑な機能を持つサイトを作るには不向きです。また、テーマやプラグインの選び方によっては表示速度が遅くなることもあります。そのため、士業ホームページでは必要最低限の機能に絞り、シンプルで分かりやすい構成を心がけることが重要です。
結論:士業ホームページはWordpress一択!
士業ホームページを自力で作るなら、WordPress一択と言っても過言ではありません。
- 専門知識がなくても構築できる
- SEOに強く、集客につながりやすい
- デザインや機能を柔軟に変更できる
これらの理由から、士業ホームページを長期的に運営するための最適な選択肢となります。
3.基本的なページを整える
士業のホームページは、単なる情報発信の場ではなく「信頼性を示し、顧客からの問い合わせにつなげる資産」です。そのため、最低限整えておくべき要素があります。
ここでは、士業ホームページに必須となる代表的なページやコンテンツを紹介します。
事務所概要・プロフィール
士業ホームページで最も重要なのは「信頼性」です。事務所概要やプロフィールには、代表者の経歴、資格、事務所の理念などを掲載しましょう。
士業は専門性と誠実さが求められる職業ですので、顔写真や略歴を載せることで安心感を与えられます。
特に「どんな人が対応してくれるのか」を明示することは、問い合わせにつながる大きな要素です。
業務内容・料金表
次に重要なのが「何を依頼できるのか」を明確にすることです。業務内容を具体的に記載し、料金表を可能な範囲で提示しましょう。
料金を公開することで「問い合わせ前に不安を解消できる」効果があり、顧客が安心して連絡できます。
料金をすべて公開できない場合でも「顧問契約は月額〇円~」など目安を示すだけで信頼性が高まります。
FAQ(よくある質問)
士業ホームページでは、顧客が抱く典型的な疑問を先回りして解消することが重要です。
例えば「顧問契約はスポットでも可能ですか?」「初回相談は無料ですか?」といった質問をFAQとしてまとめておくと、問い合わせのハードルが下がります。
FAQはSEO的にも有効で、検索エンジンからの評価を高める効果も期待できます。
お問い合わせフォーム
最後に必須なのが「お問い合わせフォーム」です。電話番号やメールアドレスを記載するだけでなく、フォームを設置することで顧客が気軽に連絡できるようになります。
士業の場合、問い合わせの第一歩は「相談してみたい」という気持ちから始まります。
フォームがあることで心理的ハードルが下がり、顧客獲得につながりやすくなります。
サーバー・ドメイン・WordPressの取得方法
ここまで見てきたように、士業ホームページを自力で作るためには、まず サーバー・ドメイン・WordPress を揃える必要があります。
ここでは、それぞれの取得方法を具体的に解説します。
サーバーの取得方法
士業ホームページは中小規模が多いため、レンタルサーバー会社が提供する 共有サーバー を契約すれば十分です。
契約の流れは以下の通りです。
- レンタルサーバー会社(例:エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップなど)を選ぶ
- プランを選択(士業サイトなら月額1,000円前後のプランで十分)
- 契約後、管理画面からWordPressを簡単インストールできる機能を利用する
専門知識がなくても導入でき、契約後すぐにホームページを公開できる環境が整います。
では、代表的なレンタルサーバーを比較してみましょう。
|
お名前.com |
エックス |
ロリポップ!レンタルサーバー |
mixhost |
ConoHa |
|
|
プラン |
RS |
スタンダード |
ハイスピード |
プレミアム |
ベーシック |
|
種類 |
共用サーバー |
共用サーバー |
共用サーバー |
クラウド |
共用サーバー |
|
料金 |
月額990円~ |
月額990円~ |
月額550円~ |
月額979円~ |
月額911円 |
|
ディスク容量 |
400GB |
300GB |
350GB |
350GB |
300GB |
|
独自SSL |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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独自ドメイン |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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WordPress簡単 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
|
特徴 |
0円で開始可能、電話サポートが充実 |
レンタルサーバーの定番 |
コストパフォーマンスが高い |
クラウドサーバーの定番 |
初期費用0円で処理速度が速い |
それぞれ強み・弱みが異なるので、運用に合わせたサービスを選びましょう。
ちなみに私は、「ConoHa WING」を選びました。
ドメインの取得方法
次に必要なのが 独自ドメイン です。ドメインはレンタルサーバー契約と同時に取得できる場合が多く、同じ会社でまとめて契約すると管理が楽になります。
取得の流れは以下の通りです。
- サーバー契約時に「新規ドメイン取得」を選択
- 希望するドメイン名を検索
- 空いていればそのまま契約、年間数千円程度の維持費が発生
士業ホームページでは、事務所名や業務内容を含めた独自ドメインを選ぶことで信頼性が高まり、SEOにも有利になります。
ちなみに私が選んだ「ConoHa WING」の場合、ときたま「長期契約で独自ドメイン2つまで無料」といったキャンペーンをやってることもあるので、要チェックです!
WordPressの導入方法
サーバーとドメインを取得したら、次は WordPress を導入します。
レンタルサーバー会社の管理画面には「WordPress簡単インストール」機能が用意されていることが多く、数クリックで導入可能です。
導入後は、テーマ(テンプレート)を選んでデザインを整えます。
- 無料テーマ:コストを抑えられるが、デザインや機能に制限あり
- 有料テーマ:士業向けに特化したものもあり、信頼感のあるデザインをすぐ導入可能
士業ホームページでは「信頼性」「見やすさ」「問い合わせ導線」が重要なので、最初から有料テーマを導入するのも有効です。
ちなみに士業におすすめの主なテーマは次のとおりです。
| テーマ名 | 特徴 | 価格(作成時点) | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| TCD AIDER | 士業サイトに必須の機能ページが網羅されている | ¥40,590 | ★★★★☆ |
| TCD LAW | 理性と権威を象徴とする士業、企業サイト向けテーマ | ¥13,178 | ★★★★☆ |
| JIN:R | ブログに強い、デザインがオシャレで女性的 | ¥19,800 | ★★★★☆ |
| SWELL | 操作性抜群・ブログ最適 | ¥17,600 | ★★★★★ |
| Emanon Pro | 士業・コンサル特化 | ¥9,800 | ★★★★☆ |
| THE THOR | SEO最強 | ¥16,280 | ★★★☆☆ |
| Lightning | 無料で始められる | 無料 | ★★★★★ |
個人的なオススメは「SWELL」です。
また「ConoHa WING」でサーバーと同時契約する場合は割引が効くテーマもありますので、一度ご確認ください。

まとめ:士業ホームページは自力で作れる!
いかがでしょうか?
士業として独立・開業する際、ホームページは「事務所の顔」であり、信頼性を示す重要な資産です。この記事では、自力でホームページを作る方法を中心に解説してきました。
振り返ると、必要なステップは次の通りです。
- サーバーとドメインを用意する
→ 共有サーバーをレンタル契約し、独自ドメインを取得することで信頼性と安定性を確保。 - WordPressを導入する
→ 専門知識がなくても構築可能。SEOに強く、士業向けテーマを活用すれば信頼感あるデザインをすぐに整えられる。 - 士業ホームページに必須の要素を整える
→ 事務所概要・プロフィール、業務内容・料金表、FAQ、お問い合わせフォームを設置し、信頼性と集客力を兼ね備えたサイトにする。
レンタルサーバー契約、独自ドメイン取得、WordPress簡単インストールの流れを押さて、最後にホームページに必須の要素を整えれば、誰でも自力で立ち上げ可能です。
そして、サーバーがどれか迷ったなら、『ConoHa WING』がおすすめです。
値段も手ごろで、速度も申し分なく、時期によってはドメインも永年無料、Wordpressの導入も簡単。テーマも割引が効くことがあります。
コストを抑えつつ、自分のペースで更新できる仕組みを整え、事務所の信頼性と集客力を高めていきましょう。




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