自動車をローン(割賦)で購入した場合の仕訳・会計処理について解説

「車を業務で使いたい。でも一括購入は難しいからローンで…」

そんな選択をされる方も多いのではないでしょうか。

今回は、車両を割賦(ローン)で購入した場合の具体的な仕訳や処理方法について、実際の請求書の明細をもとに解説します。

専門的なテーマですが、できるだけわかりやすく、実務で迷いやすいポイントにも触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

車を取得する際の基本的な会計処理・取得価額の考え方

車を取得する際の基本的な会計処理や取得価額の考え方については、以前の記事でご紹介しました。

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基本的な会計処理や取得価額の考え方について知りたい方は、まずはこちらの記事をご参照ください。

実例:車(自動車)購入時の請求書

車購入時の請求書は、次のような明細になっていることが多いです。

そして、明細の各項目ごとに会計処理を判断していきます。

(下記は、実際の請求書をもとに作成しています。)

明細
勘定科目
消費税 金額
車両本体価格 車両 3,858,000
値引き(-) 車両
10% 3,858,000
オプション・付属品計 車両 10% 0
計① 3,858,000
諸費用内訳
 

自動車税

租税公課 16,400
自動車重量税 租税公課
自賠責保険料 16ヶ月 (6月末決算 10月購入) 保険料 13,550
税金・保険料 小計(非課税) 29,950
検査登録手続代行費用 支払手数料 10% 37,400
車庫証明手続代行費用 支払手数料
納車費用 車両
下取車諸手続代行費用 支払手数料
ナンバープレート代 支払手数料 10% 1,450
行政書士費用 支払手数料 10% 6,600
課税販売諸費用等 小計(消費税込み)② 10% 45,450
預り法定費用(検査登録法定費用) 支払手数料 500
預り法定費用(車庫証明法定費用) 支払手数料
預りリサイクル預託金 預託金 17,210
預り法定費用等 小計 17,710
諸費用 合計③ 93,110
現金販売時お支払総額①+③ 3,951,110
内、課税対象①+② 3,903,450
消費税計 (354,859)

お支払いプラン(割賦購入の場合)

①現金価格合計 3,951,110
②頭金 0
③割賦元金(①-②) 3,951,110
分割払手数料 298,138
⑤お支払総額(③+④)
支払回数 60回
初回分割支払金 72,048
2回目以降分割支払金 70,800×59回
お支払期間 令和6年11月~令和11年10月

割賦手数料(分割手数料)の税法上の取り扱い

割賦手数料(分割手数料)は、原則として取得価額に算入します。

ただし、下記通達により、取得価額に含めないことができます。

(割賦購入資産等の取得価額に算入しないことができる利息相当部分)

7-3-2 割賦販売契約(延払条件付譲渡契約を含む。)によって購入した固定資産の取得価額には、契約において購入代価と割賦期間分の利息及び売手側の代金回収のための費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合のその利息及び費用相当額を含めないことができる。

引用元:国税庁HP『第1款 固定資産の取得価額』©国税庁

※ちなみに、車の耐用年数次第では、取得価額に算入して減価償却した方が早期に償却できる場合もあります。

車をローン(割賦)で購入した場合の仕訳方法

勘定科目
金額
勘定科目
金額
消費税
摘要
車両及び運搬具 3,858,000 未払金 3,858,000 課税 車両本体価格計
租税公課 16,400 未払金 16,400 不課税 自動車税
保険料 7,622 未払金 7,622 非課税 自賠責保険料(13,550×9/16)
前払費用 5,928 未払金 5,928 不課税 自賠責保険料(13,550×7/16)
支払手数料 37,400 未払金 37,400 課税 検査登録手続代行費用
支払手数料 1,450 未払金 1,450 課税 ナンバープレート代
支払手数料 6,600 未払金 6,600 課税 行政書士費用
支払手数料 500 未払金 500 非課税 預り法定費用(検査登録法定費用)
預託金 17,210 未払金 17,210 不課税 預りリサイクル預託金
前払費用 298,138 未払金 298,138 不課税 割賦手数料
※勘定科目については、会社の会計方針によっては異なる場合があります。

割賦代金支払時の処理

割賦代金支払い時の処理については下記のようになります。割賦手数料については、定額法により支払い回数で案分しています。

割賦手数料 298,138 ÷ 60回 = 4,969(定額法)

初回)

勘定科目 金額 勘定科目 金額 消費税 摘要
未払金 72,048 普通預金 72,048 不課税 割賦代金支払い
支払利息 4,969 前払費用 4,969 非課税 割賦手数料の償却

2回目以降)

勘定科目 金額 勘定科目 金額 消費税 摘要
未払金 70,800 普通預金 70,800 不課税 割賦代金支払い
支払利息 4,969 前払費用 4,969 非課税 割賦手数料

決算時振替

決算時に、前払費用と未払金のうち1年を超えて支払期限が到来するものを長期前払費用と長期未払金に振り替えます。

勘定科目 金額 勘定科目 金額 消費税 摘要
長期前払費用 202,449 前払費用 202,449 不課税 長期前払費用振替 39回分
未払金 1,205,200 長期未払金 1,205,200 不課税 長期未払金振替 39回分

・割賦手数料の長期前払費用への振替
5,191 ×(60回ー当期経過9回ー12回) = 202,449
・割賦ローンの長期未払金への振替
70,800 ×(60回ー当期経過9回ー12回) = 2,761,200

まとめ

いかがだったでしょうか?

自動車を割賦(ローン)で購入する場合は、取得価額や割賦手数料の扱い、そして支払時や決算時の仕訳など、細かな判断ポイントが多数あります。

今回の記事では、実際の請求書の明細をもとに、項目ごとの勘定科目や処理方法を丁寧に解説しました。

特に割賦手数料の取得価額算入可否は迷いやすいポイントです。

ぜひ、今回の記事を実際の車両の購入時や会計処理の場面でお役立てください。

「自動車取得」シリーズのほかの記事も併せてご覧いただけると、より理解が深まります。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

「ねぇ、税理士いなくて困ってるから税務顧問やってよ」と友人に言われて税理士登録をした公認会計士兼ベンチャー企業の役員。
税理士になる権利は有していても、税務の勉強はあまりしてこなかった!!
だからこそ躓いたアレコレを記録して、税務・経理初心者に役立つことや、日々の色々を書き連ねます!

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