確定申告の時期が近づいてまいりました。
2026年提出・令和7年分の確定申告については、定額減税の影響もあり、若干の変更点があります。

本記事では、その変更点も踏まえて令和6年分確定申告書第の見方や書き方について詳しく解説するとともに、税額計算の流れや控除の種類も紹介いたします。
確定申告書の種類
所得税の確定申告書には第一表・第二表・第三表・第四表の4種類の用紙があります。
第一表と第二表は、確定申告をする全員が提出しなければなりません。
第三表は申告分離課税の対象となる所得がある人が、第四表は損失の申告をする人が、それぞれ提出します。
- 第一表:収入や所得、所得控除、税額控除などの金額を記入
- 第二表:所得の内訳や所得控除に関する事項など、第一表で記載した事項の詳細な内容を記入
- 第三表:株式等の譲渡所得や不動産の譲渡所得など、分離課税の対象となる所得について記入
- 第四表:純損失の金額や雑損失の金額を翌年以降に繰り越す場合などに記入
確定申告書の用紙は国税庁のサイトからダウンロードでき、税務署に行って確定申告書の用紙をもらうこともできます。
確定申告書の作成で必要な書類
確定申告書の作成には、申告書に記入する金額などを確認できる資料が必要です。
- 収入や費用、所得に関する書類
- 所得控除や税額控除に関する書類
- マイナンバーが分かる書類
確定申告書には収入や所得の金額を記入するため、個人事業主やフリーランスであれば売上や経費の金額が分かる帳簿などが必要になります。
会社員であれば、勤務先から渡される源泉徴収票を見れば給与収入額や給与所得額を確認できます。
また、医療費控除や生命保険料控除など、所得控除や税額控除の適用を受ける人は控除に関する書類も必要です。
たとえば医療費控除の適用を受けるときには、領収書やレシートなどを準備したうえで医療費の金額を確認し、医療費控除額を計算して確定申告書に記入します。
特に医療費控除や寄付金控除は確定申告をしないと適用を受けられないので、節税したい場合には確定申告をすることをお勧めします。
また、確定申告書にはマイナンバー(個人番号)を記入する欄があるので、マイナンバーが分かる書類も必要です。扶養控除の適用を受ける場合や事業専従者がいるのであれば、対象となる家族のマイナンバーの記入も必要です。
【全員必須】確定申告書 第一表の見方と書き方
確定申告書の第一表は、大きく5つの項目に分かれています。
(引用元:国税庁「申告書第一表・第二表【令和7年分以降用】」©国税庁)
- 収入金額等
- 所得金額等
- 所得から差し引かれる金額
- 税金の計算
- その他
それでは、各々の項目の内容について見ていきましょう。
(1)収入金額等
「収入金額等」の欄には、確定申告をする年の収入を記入します。この項目に該当する収入は以下のとおりです。
| 各項目 | 記入する内容 |
|---|---|
| 事業:営業等㋐ | 個人事業主やフリーランスの収入 |
| 事業:農業㋑ | 農業で得た収入 |
| 不動産㋒ | 不動産で得た収入 (土地や建物の貸付、地上権などの権利の貸付、船舶や航空機の貸付) |
| 配当㋓ | 株の配当や投資信託の分配で得た収入 |
| 給与㋔ | 会社員やアルバイト・パートの給与収入 |
| 雑:公的年金等㋕ | 国民年金などの公的年金で得た収入 |
| 雑:業務㋖ | 事業ではない業務(例:副業)で得た収入 |
| 雑:その他㋗ | 「公的年金等㋕」「業務㋖」以外で得た収入 |
| 総合譲渡:短期㋘ | 所有期間が5年以内の土地や建物、株式を譲渡して得た収入 ※土地や建物、株式などは第一表(総合譲渡)の対象外。第三表(分離譲渡)にて記載 |
| 総合譲渡:長期㋙ | 所有期間が5年を超える土地や建物、株式を譲渡して得た収入 ※土地や建物、株式などは第一表(総合譲渡)の対象外。第三表(分離譲渡)にて記載 |
| 一時㋚ | 営利目的ではなく継続的に生じる収入以外で得た収入 (懸賞の賞金品や競馬の払戻金など) |
また、事業・不動産・給与・雑に四角枠で区分欄が設けられています。
区分欄には、以下の内容に該当する数字を記入します。
| 「事業(営業等・農業)」の区分欄 | 記入番号 |
|---|---|
| 優良な電子帳簿の要件を満たし、 電磁的記録による保存に係る届出書(又は電磁的記録に係る承認申 請書)を提出し、総勘定元帳、仕訳帳等について電磁的記録による 備付け及び保存を行っている場合 | 1 |
| 会計ソフトなどを使用して記帳している場合(1に該当する場合は除く) | 2 |
| 総勘定元帳や仕訳帳などを備え付けて、日々の取引を複式簿記にしたがって記帳している場合(1、2に該当する場合は除く) | 3 |
| 日々の取引を複式簿記以外の簡易な方法で記帳している場合(2に該当する場合は除く) | 4 |
| 上記のいずれにも該当しない場合(記帳の仕方が分からない場合も含む) | 5 |
| 「不動産(区分1)」の区分欄 | 記入番号 |
|---|---|
| 国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例の適用がある場合 | 1 |
| 「不動産(区分2)」の区分欄 | 記入番号 |
|---|---|
| 優良な電子帳簿の要件を満たし、 電磁的記録による保存に係る届出書(又は電磁的記録に係る承認申 請書)を提出し、総勘定元帳、仕訳帳等について電磁的記録による 備付け及び保存を行っている場合 | 1 |
| 会計ソフトなどを使用して記帳している場合(1に該当する場合は除く) | 2 |
| 総勘定元帳や仕訳帳などを備え付けて、日々の取引を複式簿記にしたがって記帳している場合(1、2に該当する場合は除く) | 3 |
| 日々の取引を複式簿記以外の簡易な方法で記帳している場合(2に該当する場合は除く) | 4 |
| 上記のいずれにも該当しない場合(記帳の仕方が分からない場合も含む) | 5 |
| 「給与」の区分欄 | 記入番号 |
|---|---|
| 給与等の収入金額が850万円を超え、「①本人・同一生計配偶者・扶養親族のいずれかが特別障害者である場合」または「②23歳未満の扶養親族がいる場合」 | 1 |
| 給与所得と公的年金等の雑所得がある場合で、給与所得控除後の給与等の金額と公的年金等の雑所得の金額の合計額が10万円を超える場合 | 2 |
| 上記のいずれにも該当する場合 | 3 |
| 「雑(業務)」の区分欄 | 記入番号 |
|---|---|
| 現金主義の特例を適用する | 1 |
| 「雑(その他)」の区分欄 | 記入番号 |
|---|---|
| 個人年金保険に係る収入がある場合 | 1 |
| 暗号資産取引に係る収入がある場合 | 2 |
| 上記のいずれにも該当する場合 | 3 |
(2)所得金額等
「所得金額等」では、収入から必要経費を差し引いて算出した金額を、各所得の欄に記入します。
会社員やパート、アルバイトなど、給与所得がある人は、給与所得控除と所得金額調整控除が控除された後の金額を⑥に記載します。
ちなみに、税制改正により、令和7年(2025年)分から、給与所得控除の最低控除額が55万円から65万円に引き上げられました。対象の人は金額を間違えないように注意しましょう。
また給与の区分欄は、特定支出控除を受ける人が「給与所得者の特定支出に関する明細書」の区分番号を記入する欄です。対象者以外は無記入で大丈夫です。
各所得の計算方法や書き方については、確定申告書の手引きのp8~p14を確認してください。
(3)所得から差し引かれる金額
所得控除一覧
👇控除の種類名クリックすると詳細記事に飛びます。
| 控除の種類 | 適用条件 | 控除額 |
|---|---|---|
| 雑損控除 | 災害や盗難、横領によって損害を受けた | 以下のいずれか多い方
・(差引損失額) – (総所得金額等)×10% |
| 医療費控除 | 一定額以上の医療費を支払った ※生計を同じくする配偶者やその他の親族も含まれる |
(支払った医療費 – 保険金などで補填される金額) – 10万円
※その年の所得金額が200万円未満の人は所得金額 × 5% |
| 社会保険料控除 | 健康保険料や国民年金保険料などの社会保険料を支払った ※生計を同じくする配偶者やその他の親族も含まれる |
支払った保険料の合計 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済の掛金を支払った | 支払った掛金の合計額 |
| 生命保険料控除 | 生命保険や介護医療保険、 個人年金保険で支払った保険料がある | 一定の方法で計算した金額 (最大12万円) |
| 地震保険料控除 | 地震保険料を支払った | 一定の方法で計算した金額 (最大5万円) |
| 寄附金控除 | ふるさと納税や認定NPO法人等に対して寄附をした | 「寄附金支出合計額」と 「総所得金額等 × 40%」 のいずれか少ない方-2,000円 |
| 障害者控除 | 納税者や控除対象配偶者、扶養親族が障害者である | 一人につき、 ・障害者27万円 ・特別障害者40万円 ・同居特別障害者75万円 |
| 寡婦控除 | その年の12月31日時点で「ひとり親」に該当しない寡婦 ※寡夫控除は2020年度分よりひとり親控除に変更 |
27万円 |
| ひとり親控除 | 納税者がひとり親である | 35万円 |
| 勤労学生控除 | 学校に行きながら働いている ※ただし、合計所得金額が75万円以下 |
27万円 |
| 配偶者控除 | 配偶者の合計所得が48万円以下 (給与のみの場合は給与収入が103万円以下) |
・一般控除対象配偶者は最大38万円 ・老人控除対象配偶者は最大48万円 (控除対象配偶者のうち年齢が70歳以上) |
| 配偶者特別控除 | 納税者の合計所得が1,000万円以下で、配偶者の合計所得が48万円超133万円以下である | 最大48万円 ※配偶者の所得金額によって異なる |
| 扶養控除 | 16歳以上の子どもや両親などを扶養している | ・一般控除対象扶養親族は38万円 ・特定扶養親族は63万円 (扶養親族が19歳以上23歳未満) ・老人扶養親族は最大58万円 |
| 特定親族特別控除 | ⽣計を同じくする特定親族(19歳以上23歳未満、合計所得金額が58万円超123万円以下)がいる | 特定親族の合計所得金額に応じた金額 (特定親族一人につき、最大63万円) |
| 基礎控除 | 一定の所得以下のすべての人に適用 | 最大48万円 ※所得金額によって異なる |
この中でも特に、医療費控除・寄附金控除・雑損控除については、年末調整の対象外です。これらの控除を適用するためには、年末調整をしている会社員でも個人で確定申告をしなければなりません。
また、税制改正により、令和7年(2025年)分から基礎控除の控除額が合計所得金額に応じて95万・88万・68万・63万・58万のいずれかになります(令和9年分以降は95万・58万)。
基礎控除額は所得額によって変動するので注意しましょう。詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

また控除には、これらの『所得控除』のほかに『税額控除』というものがあります。
所得控除は課税対象となる所得額から控除額を差し引きますが、税額控除は、算出された税額から控除額を差し引くものです。
税額控除は後述「(4)税金の計算」の項目で記入します。
(4)税金の計算
「課税される所得金額㉛」の欄
「課税される所得金額㉛」の欄には、(2)所得金額等の「合計⑫」から、(3)所得から差し引かれる金額の「合計㉚」の金額を差し引いた金額(1,000円未満を切り捨てた金額)を記入します。
「課税される所得金額㉛」=所得金額等の「合計⑫」ー所得から差し引かれる金額の「合計㉚」
「上の㉛に対する税額㉜」の欄
「上の㉛に対する税額㉜」には「課税される所得金額㉛」をもとに計算した所得税の金額を記入します。
所得税額の計算式は以下の通りです。税率と控除額は、後述の「所得税の速算表」を使用します。
所得税額 = 課税所得金額 × 所得税率 – 控除額
【計算例】1年間の課税所得金額が300万円だった場合の所得税額:4,000,000(円) × 20 % – 427,500(円) = 372,500(円)
所得税率の速算表
| 課税対象の所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 1,000円〜1,949,000円 | 5% | 0円 |
| 1,950,000円〜3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円〜6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円〜8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円〜17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円〜39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
※去年まであった定額減税の項目はなくなりました。
なお、2024年に実施された定額減税の項目は、去年限定の項目だったため、2025年分の確定申告書からは削除されました。
㉝以降の欄について
㉝~㊶の欄では、配当控除や住宅ローン控除などの税額控除を受ける場合には、該当する項目に控除額を記入します。
以下を参考に該当する箇所を記入していきましょう。
| 項目 | 内容 | |
|---|---|---|
| 配当控除 | ㉝ | 総合課税の適用を受けた配当所得があるときに受けられる税額控除 |
| ㉞ | 事業所得等の特例に係る税額控除の適用を受ける場合には左側空欄に「投資税額等」区分に「1」と記入する | |
| (特定増改築等) 住宅借入金等特別控除 |
㉟ | 新築住宅や中古住宅を購入またはリフォームした場合、一定の条件を満たすことで適用される税額控除(住宅ローン控除) |
| 政党等寄附金等特別控除 | ㊱ 〜 ㊳ |
個人が政党や政治資金団体へ寄附した際に適用される税額控除 |
| 住宅耐震改修特別控除 等 | ㊴ 〜 ㊶ |
家屋の耐震改修をした場合で一定の要件を満たした際に適用される税額控除 |
そして、「上の㉛に対する税額㉜」から税額控除額を差し引いた金額を「差引所得税額㊷」に記入します。
| 差引所得税額 | ㊷ | 上の㉛に対する税額㉜から㉝〜㊶を差し引いた金額 (赤字の場合は0を記入) |
|---|---|---|
| 災害減免額 | ㊸ | 災害によって住宅や家財が損害を受けた場合に適用される税金の減免* * 所得金額が1,000万円以下の人に限る *所得控除の「雑損控除」との併用不可 |
| 再差引所得税額(基準所得税額) | ㊹ | ㊷の金額から㊸の金額を差し引いた額 |
また、2037年までは所得税のほかに復興特別所得税もかかり、税額は所得税額㊹に2.1%をかけた金額(1円未満を切り捨てた金額)を、㊺に記入します。
| 復興特別所得税額 | ㊺ | 所得税額㊹に2.1%をかけた金額(1円未満を切り捨てた金額) ※2037年まで課税対象 |
|---|---|---|
| 所得税及び復興特別所得税の額 | ㊻ | ㊹+㊺の金額 |
| 外国税額控除等 | ㊼ 〜 ㊽ |
令和7年中に外国所得税を納付した場合に適用される税額控除 |
| 源泉徴収税額 | ㊾ | 給与や報酬、年金などからあらかじめ差し引かれた所得税等の金額 |
申告納税額㊿の欄には、所得税額と源泉徴収税額の差額を記入します。
源泉徴収税額が所得税額より低いなら納税が必要で、100円未満を切り捨てた金額を記入します。逆に源泉徴収税額が高いなら還付を受けられるので、端数もそのままの金額を記入してください。
| 申告納税額 | ㊿ | 所得税及び復興特別所得税の額㊻から㊼〜㊾を差し引いた金額 ・黒字の場合:100円未満の端数を切り捨てた額 ・赤字の場合:金額の頭に「△」または「ー」を記入 |
|---|---|---|
| 予定納税額 (第1期分・第2期分) |
51 | 予定納税通知書に記載されている金額(合計) |
| 第3期分の税額 | 52 〜 53 |
申告納税額㊿から(51)を差し引いた金額 ・黒字の場合:100円未満の端数を切り捨てた額を(52)に記入 ・赤字の場合:そのままの金額を(53)に記入 |
(5)その他・延納の届出
「その他」欄には、公的年金等以外の合計所得額や、配偶者の合計所得額、専従者給与(控除)額の合計金額などを記載します。
青色申告者は、別で作成する「青色申告決算書」から「青色申告特別控除額」を(59)の欄に転記します。
副業などによって雑所得や一時所得等があれば、「源泉徴収税額㊿」のうち、以下の所得金額に対する源泉徴収税額の合計金額を(60)欄に記入しましょう。
- 雑所得
- 一時所得
- 臨時所得
- 株式等の譲渡所得等
- 退職所得
最後に「延納の届出」の欄には、所得税等の第3期分の納める税金を延納する場合に記入します。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は確定申告をする全員が提出が必要な「確定申告書-第一表」の書き方についてみていきました。
細かく説明するとボリューミーな記事になってしまいました。全部把握するのは大変かもしれません。
なので、確定申告書の見方がわからないときに必要な個所を参考にするかたちでご利用いただくといいかもしれません。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、もう一つ全員が提出する必要のある『第二表』についてご紹介いたします。
今後も税務・会計に役立つ記事を発信していきますので、またお越しいただければ嬉しいです。それでは、また!











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